ゴリラの首の懸賞金 上

 雲をひき千切る風、ストロボのような月光を浴びた荒涼たる埋立地。無数の車の残骸が投棄された文明の墓場で、凄じいばかりの死闘が演じられていた。ドーベルマンを思わせる男と、豹のような女。バタフライと呼ばれる女が、ついに勝利した。女は記念すべき戦果として、男の片耳を切り取った。───二人は、南海の群島カンバ共和国から日本へやって来た敵味方だった。

 歌謡界のヒットメーカーNO.1、阿久悠が活劇小説で衝撃のデビュー。血と性と暴力!! 混血の女テロリスト、さまざまな日本人の謀略プロフェッショナルが暗躍する、スリル、サスペンス、エロチシズム横溢の超大型スケールの活劇小説。スポーツニッポンで1977年3月~12月31日まで連載。

1978年2月発売
スポニチ出版